ケトルベル ターキッシュゲットアップ 体幹・柔軟性・バランス感覚を強化する

ケトルベル

「ターキッシュゲットアップ」=「トルコ式ゲットアップ」=「ゲットアップ」です。

Turkish Get Up → 頭文字をとって「TGU」と記載されるときもあります。

スポンサーリンク

ターキッシュゲットアップとは何なのか

ケトルベルのことをネットなり動画で見ていると「スイング」と並んで「ターキッシュゲットアップ」という種目を目にすると思います。寝た状態からケトルベルを上にあげ、寝た状態→膝立ち→立ち上がり→もとに戻る …最初は???でした。コレはどういう意味なんだい?って。

TGUにどんな効果があるの?

片手にケトルベルを持ち、頭上にあげた状態で立ち上がっていきます。この動作で意識的に&無意識にこんな効果があります。力を入れ続けて、体幹をかためて、動作をするのがポイントです。

  • 肩を安定させる : ケトルベルを頭上にあげて動作をするので、荷重がかかった状態で、肩をゆっくり動かすことになります。コレは三角筋だけではなく僧帽筋・菱形筋・ローテーターカフなど肩回りの筋肉を総動員してバランスよく鍛えることができます。
  • 肩をパックする : ケトルベルで「肩をパックする」とは肩甲骨を背中側に寄せて、かつ、下まで下げて、安定させることを言います。パソコンやスマホを使っていると猫背で前肩で…と肩が前に、上に上がっていますが、その反対です。「肩をパック」しながら「肩を安定させる」効果があります。
  • バランスをとる : 筋トレはしっかり体を安定させてやります。TGUは片手でケトルベルをあげているので、バランスをとりながら=右手であげているなら身体の左側の筋肉も使って、体幹を安定させる必要があります。こんな動作はほかにないです。
  • 上半身の柔軟性と強さ : バランスをとりながら、起き上がり、膝立ち、立ち上がりと、いくつもの動きを連続してやります。体幹を固めつつ、ゆっくり動作です。力いっぱい入れるわけではなく、緩めるわけではなく…。
  • 下半身を安定させる : 重たいものを持って「立ち上がる」ことは日常でもありますが「座って寝転ぶ」ことはほぼないと思います。股関節の動きをよくすること、力をちょうどよく入れるコト、バランスをとることが上手くなります。

「肩をパックする」ってなんだー! とおもってまとめてみました↓

ターキッシュゲットアップをやる前に

ある程度の肩の柔軟性がないと危険です。手を挙げて耳につきますか? バンザイしたときに痛みはないですか? そこのところは身体と相談です。無理してケガをしても仕方がない。

今日は肩が固まっているなあ、と思ったら、ヘイローとアームバーでウォームアップをおススメします。肩が柔らかいことが大事です。

ターキッシュゲットアップのやりかた

ケトルベルを右手で持ち上げるパターンの場合です。左手の場合は左右が逆です。

  1. ケトルベルを持って腕を伸ばす : ケトルベルを体に右側に置いてから、右手でつかんで、持ちあげます。片手でフロアプレスする感じです。目線はケトルベルを見て。持ち上げたら腕の位置を調整して肩にぴったりする感じに。肩は床につきます。この段階で肩甲骨を寄せておく必要はないです。
  2. 膝を曲げる : 右膝を曲げて、足の裏をピッタリ床につけて。左足は斜めのほうがバランスしやすいです。左手は斜め45度くらいで、手のひらを床につけます。ピタっと。フロアプレスがさらに安定しましたよね。
  3. 起き上がる : 1)右足をぐっと力をいれて、床をおして 2)左手は肘のあたりで床を押して体を起こします。左手は肘でぐっと押して上体を浮かせてから、手のひらで地面を押します。ぐっと。左足が浮きそうになると思いますが、踵で床を押す感じです。腹直筋+腹斜筋に力がかかります。
  4. お尻を伸ばす : 3の状態から、お尻に力を入れて腰を伸ばします。右足は床を踏みしめ、左足は足の縁で床を押し、左手も床を押します。3点でバランスをとりつつ、目線はケトルベルのままです。ココが不安定です。お尻の筋肉を使います。
  5. 左足を後ろに : 右足を踏みしめて、左手で床をささえたまま、左足を床につけたまま後ろに引き、膝をつきます。スーッと。ココで斜め上をむいていた上半身は向きが変わります。バランスをとって。目線はケトルベルです。肩はケトルベルを上げ続けてるので、三角筋と背中に負荷が効き続けています。
  6. 膝立ちになる: 左手を床からはなして、上半身をまっすぐにします。ケトルベルはまっすぐ上がっていれば、バランスをとるだけでそんなに重さを感じないはずです。このとき、左足の膝に重心がきます。
  7. 立ち上がる : 体重は右足メインになります。右足でぐっと立ち上がりつつ、左足をそろえてたちがります。ケトルベルを持ちあげた右手はまっすぐ、肘を曲げないで。
  8. 元の態勢にもどしていく : 7の状態から巻き戻すように戻っていきます。ちょっと混乱しやすいです。

どうやって一人で練習したらいいか?

動きが複雑なのでケトルベルを持っていきなり試すのは危険です。バランスを崩してケトルベルが壁にぶつかったら?(やりました…)バランスを崩して顔にケトルベルが落下したら?(ゆっくりおろしてオデコでバランスをとったことが…)なので最初は安全第一でやりましょう。

  1. ケトルベルをもたずにやってみる : ケトルベルを持たずに、手をグーにした状態でやってみたほうがよいです。上のステップの1~3でまず起き上がるところまでを何回か繰り返す。「ハーフターキッシュゲットアップ」といいます。
  2. 軽いモノを載せてやってみる : 慣れてきたらグーの手の上に、軽いモノ、例えば水を入れたペットボトル、スマホ、靴、リモコンなどを置いてハーフゲットアップをしてみる。腕をまっすぐに上げた状態を保ちつつ、バランスをとるのは結構難しいです。
  3. 段階的にやってみる : ケトルベルを持たずに、グーの状態で、次に、グーの上に何かを載せて、立ち上がって、戻るまでを繰り返してみて。動作パターンを覚えてからケトルベルをもってやったほうがいいです。

何キロの重さで、何回やればいい?

複雑な動きなので、筋力に自信があっても最初は軽いモノからスタートを。男性なら~12kgくらいから。女性なら4kgくらいから。2Lのペットボトルをもってやっても良いと思います。重さをあげることではなく、肩を動かして、バランスをとって、体幹に力を入れて動くことに意味があると思うので。

ケトルベルを頭上にあげながら=ショルダープレスしながら ですから、慣れてきたらショルダープレスできる重さでやることが目標ですね。

回数は…左右で合計5回から、でどうでしょう。ゆっくりした動きで力を入れ続けるので、集中力が大事です。無理のない範囲でよいと思います。高回数を追求する種目ではないかな…と思います。

私はケトルベル20kgで、左右合計10回でやっています。片手で連続2-3回やって、反対側の手に変えて・・・って感じです。10回目くらいで、段々集中できなくなるのでそこで止めています。

ターキッシュゲットアップで感じた効果は?

全身の筋肉を使うし、バランスをとるし、やったあとぐったりするし…と面白い種目ですが、何セットもできないので、筋肥大を狙ってやるモノでもないと思います。有酸素的な要素も少ないのでダイエット向きでもないかなあと思います。

ダンベルで筋トレをしていますがコレは「筋力をつける」「筋肉を大きくする」ことが実感しやすいです。

ケトルベルでスイングだったりスラスターだったりをしていると「体全体を動かす」トレーニングになります。

ターキッシュゲットアップは、バランスをとりつつ体幹をぐっと固めて、かつ、スムーズに動かす種目です。力がなくてはできないし、身体が強くないと動けません。

私にとっては、ダンベルでつけた筋力で、体を上手く動かすためのトレーニング&コンディショニングの種目だと思います。

日常では、単純に床から立ち上がるとき、子供を抱っこするとき、子供を抱えながら立ち上がる時‥の動作の質があがります。この前、胡坐をかいて座った状態から、子供の頭と股間をつかんで(横向きで)ショルダープレスしてスッと立ち上がれました。子供は30kgくらいです。前はできなかった動きなので、ちょっと嬉しかった。まあ、トイレに連れて行っただけなんですが・・・。

ケトルベルスイングとあわせて、試しにやってみてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました